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2013年07月01日
空き「巣」

僕の部屋の天井には、1か月ほど前から嬢王バチが巣を作り始めていました。
冬の間に屋根の隙間に詰めた発砲スチロールの小さな穴を見つけたみたいです。
夏にはたくさんの自分の子供(兵隊ハチ)に守られる嬢王バチも、今はまだ一匹のハチ。
冬を一人過ごして春を待ち、残雪残る時期から我が家探し続けます。
悪いけど、子供(兵隊ハチ)が生まれる前には撤去しなくては。
と思いつつ放っていました。
仕方なく相部屋となったので、自然に彼女の行動も把握することに。
午前中は餌でも探しに出かけているのか外出。
午後になると、例の隙間からブーーンと戻ってきて、作りかけの小さい巣に入っていきます。
部屋に居合わせたりしていると、「さては寝ているな」と思い、
時々覗いてやろうと思うのだが、やはり巣を覗くのは怖い。
そのうち夕方になると、あの独特のホバリング音が聴こえてきて、
「ブーン」「カサカサカサ」「ブーン」「カサカサカサ」と、
一定の調子で「巣作りの音」が始まります。
大変気が散る音なので、時々真下から、じっと凝視してやるのでですがお構い無しです。
その様子は、大工さんが、半身でトンカチをたたいて、
しばらくすると、ふぅーと腰を伸ばしているみたい。
逆さになってカサカサと巣を作っては、巣の周りを小さく1周、
また巣を作っては、ブーンと1周、といった様子。
これを毎日2-3時間続けています。
思っていたより巣作りが短かいので、
おせっかいながら、もう少し頑張ってもいいのではと思ったりします。
それから1か月ーーー
巣城も2層目に入り、すっかり巣らしくなって、いよいよ撤去しなくてはと、
思っていたある日の午後の事でした。
窓から勢いよく、ブーンと私の横をかすめたかと思うと、
まるで航空母艦(部屋)に不時着したみたいに、畳に転がり落ちてきました。
「ピクピク、ブーンブーン」
いつもなら、窓が開いていても、
例の隙間からしか入ってきませんでしたから、ただ事ではない様子
いつまでも畳の上にいて、中々飛びたちません。
触ることもできず、しばらく眺めていると、容赦ない蟻たちが、
ちょっかいを出してきました。
「したたかな蟻の奴め」
早く飛んでしまいなと、恐る恐る伸ばした鉛筆で小突くと、
何とかフラ~リと宙に浮いて、そのまま巣に戻ることなく、同じ窓から出て行ってしまいました。
あれから一週間。
時々巣の下から覗いていますが、気配なし。
彼女は戻って来ず、作りかけの巣は空き家のまま。。
もう撤去する必要も無くなってしまいました。
Posted by くるみ温泉&キャンプ at 17:21│Comments(0)
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