今日の秋神川【無精卵】

くるみ温泉&キャンプ

2015年12月14日 10:35


薄曇り 気温6℃ 水温6.5℃(9時)

まだまだ温い秋神

今朝の最低気温も4℃と、
この時期としては7-8度は温かい気がします。

採卵の時期も最も早かった岩魚の養殖。
最初に採卵した卵は早くも「発眼」の時期を向かえています。

「発眼」とは、受精した卵の中で、身体の基本が整った状態。
黒い2つの目と骨格、時々クルクルと動くし、
黄色かった色に血液と思われる薄い赤を帯びてきます。

「発眼」が確認できたら、次は一番苦労する「検卵」作業。
なにせ、数万ある卵を
(これは発眼、これは無精卵、これは死卵だな)と、
一個一個選別していくのですから、重労働です。

受精率(発眼率)はざっと見渡し感じでは9割以上。
素人上がりとしては上等な成績でしょう。

例年なら、検卵する小屋にストーブを入れても、
3時間も卵を睨んでいると、手がかじかんでしまうのが
今年はストーブを付けずに作業です。有り難い。。

水音を聞きながら、黙々と検卵をしていると。
時々思ってしまうのがこの「無精卵」というのは不思議な存在。

卵は、雌の身体から出て、受精させて一晩も淡水に浸していると、
コンデンスミルクのように白くなって死んでしまう卵がポツポツ出現します。
(写真手前)

やがてカビも付き始め、生きている受精卵にカビが移ったりして
悪さをするのですが、「無精卵」は採卵から40日もの間、
カビも生えずに透明な色を維持しています。
(写真右上)

・・・受精はしていないけど、
カビを寄せ付けずに採卵した時と同じ状態のままでいる・・・

卵(写真左上)以外は検卵の時点で、破棄してしまうのですが、
識が乏しい私には、
・・・これは生命体としてはまだ「生きている」のだろうか?
・・・でも命は芽生えていない・・・
・・・でもカビを寄せ付けない何か生命活動があるのに・・・

ピンセットで、綺麗な無精卵を眺めながら、
自分では解明もできない命の不思議さにふと、耽ってしまいます。

養殖を始めた頃、(これから受精するのかも)と
赤い発眼卵と一緒に育てた事がありましたが、結局はゴム球のような
死卵へとかわり、孵化間近の受精卵にカビを移して悪さをしてしまいます。

結局は死卵となる「無精卵」。。。
孵化した岩魚もやがては限りがあるもの。

生きている、、とは何なのでしょうね。



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