ピンヘッド
痩せこけた岩魚の事を養殖業界で「ピンヘッド」と言います。
安全ピンのように、頭から先が細ぬけている状態
養殖をしていると、100尾に1尾くらいの確率で見られます。
理由は、餌を見つけるのが、他の仲間に極端に比べて遅い事
まぁ、のんびり屋さんとも言えます。
餌を優先して上げるために、わざわざ他の魚を引き離してから、
彼めがけて投げてやるのですが、急いで食べに来た連中にびっくりして
餌の中から逃げ出す始末。
仕舞には、プカプカ水面に浮かんできて、
目に見えないような何かを小さいものをパクパク口に入れています。
狙っているエサが違うので、上の写真のように群れとは別に泳ぎます。
最初は単に泳力の差だと思っていましたが、
もしそうなら、生涯そうだったわけで、そもそもこのサイズにならないはず。。
ある程度のサイズまでは育ってから、痩せて「ピンヘッド」になった事を考えると、
一番の原因は耳が悪くなったのではと思います。
水面に何かが「チャポン」と着水したときに、それがエサだろうが何だろうが
興味を示すものですが、ピンヘッドはその反応がとても遅いように見えます。
夏場、栄養価の高い羽虫成虫類を捕食できるか否かは
このあたりの感度によるのではないでしょうか。
逆に考えれば、釣りにも応用が利きそうです。