木曽馬の話
ここは日和田の街道沿いに佇む朽ちた大屋敷
何十回とこの道を通っていますが、一度も気付いた事はありません。
先日お会いした
増田工芸さんから、こちらが天保から明治時代に栄えた
木曽馬の大馬主 原家の邸宅だと教えて頂きました。
当時は馬主を「馬持ち」といい、
馬を預かった農家を「馬屋元」と言ったそうです。
この頃の田は水稲は日当たりの良い場所以外には育たず、
稗、粟、蕎麦、大豆を主食として生活していたようで、
人間の食料と競合しない強健な木曽馬ゆえに飼育され続けたそうです。
それでも、1頭4~5両する馬を自力で買い求めることができなかった為
富裕な町人の持ち馬を預かり馬として飼育した。
~「木曽馬保存会」より
お話では、原家はここから木曽福島(5-60㎞はある)まで、
木曽馬の行列が続いたと言わるほどのお大馬主だったそうです。
今はわずかに門構えと蔵(厩舎?)そして風化した馬の象があるだけですが、
立派な門壁の石畳みが当時の反映を偲ばせます。。
門構えだけを何とか保存しているらしく、
門の中には屋敷らしきものは残っていませんでした。
南に谷が開けた高台が、当時貴重だった水稲農耕を成り立たせ
原家は「馬屋元」から「馬持ち」へと手がかりを掴んだのかもしれません。